本:システムLSI設計のためのリユース・メソドロジ・マニュアル

 企業においてはLSIをまったく新規に開発することはあまりないことである。通常は今までの設計資産を流用して新しい物を作る。例として、CPU開発では命令フェッチやデコーダがほぼそのまま流用できる。演算器の制御方法も同じようにしておけばミスも少なくなる。これを元に改良すればよい。
 設計資産だけでなく設計手法も同様に、過去の経験を生かしつつ改善する。設計ツールや半導体テクノロジも常に進化し続けるので、これらにふりまわされないようコントロールする必要がある。
 職場では昔、論理回路を修正するためには紙に変更点と改善内容を記述し、課長の承認を得てから反映していた。だがこれでは回路規模が増えるにつれ追いつかなくなってしまう。そこで、インシデント管理システムというものが作られた。WebとLinuxの普及を利用し、Webブラウザ上で変更内容を記入、課長が承認ボタンを押す。定期的に印刷してレビューを行うことが簡単になった。
 大規模な回路を扱うには、きちんとしたプロジェクト管理が必要となる。RTLコーディング規約、バージョン管理システム、運用方法、そしてそれらを管理するための人員を確保しなければならない。
ハード屋さんというのは案外保守的なので、新しい設計手法を納得してもらうためには時間がかかる。根気よく利点を説明し、理解してもらえれば一斉に取りかかることができる。

 この本はIPコアの利用を中心とした設計再利用の手法について解説してあるが、それだけでなく検証方法、コーディングガイドラインについても記述がある。私は論理検証からの延長でプロジェクト運用に関わり、かなり参考にした。個人で買うよりは職場で買ってもらいたい本。

システムLSI設計のためのリユース・メソドロジ・マニュアル 原著第2版(丸善)

システムLSI設計のためのリユース・メソドロジ・マニュアル
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