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zoom RSS プリント基板の修正

<<   作成日時 : 2009/07/27 04:52   >>

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 計算機本体の設計では、新規のLSIと同時にそれを搭載するプリント基板も開発する。プリント基板は筐体に搭載するので色々な制約がある。例えば、基板の向きや部品の高さなど、メインテナンス性を考慮しなければならない。また、搭載部品が重なったりまたがったりしてはいけない。これはプリント基板のCADソフトがチェックしてくれる。配線もある程度は自動でやってくれるが、特に込み合っている場所などはマニュアルで配線することがある。
いちばん簡単なのはVMEバスのようなバックプレーンに挿す形態のボードである。最近のサーバはすべてブレードサーバのようにメインボードを活性挿抜(電源をいれたまま抜き差し)ができる。メモリの不良などあれば交換してまた挿し直せばよい。

 さてここからは昔話になる。プリント基板だが、LSI側に不具合があってもLSIをリメイクするのはコストが高くつく。そこで何とか外部回路で修正できないか検討する。プリント基板には空いた箇所に空きパターンがあらかじめ用意されている。そこにTTLやPLDをハンダ付けし、プリント基板のパターンをカットし、配線を追加する。
これを行った基板はジャンパが飛んでると言われていかにも試作品、または初期ロット品だということがわかってしまう。
改造は具体的には次のように行う。たいていはLSI間に修正用の論理回路を入れることで対処できるので、まずはパターンをカットする。プリント基板の図面を見て、カットする位置を決める。このとき、確実に断線させるために経路の二ヶ所をリューター(ルーター)で削る。
こんな感じ:ーーー×ーーーー×ーーー ×はカット位置
プリント基板の表面の層と第二層ぐらいまでは何とかカットできるが、誤って貫通させてしまうともうそのプリント基板は使い物にならない。多層基板の場合は内層に電源とグランドがあってショートしてしまうためだ。
配線をカットした後は、カットした配線の出力側と入力側からジャンパ線をハンダ付けし、修正用の回路に接続する。表面実装の部品とピン貫通型の部品(DIPのTTLなど)が混在していると、ジャンパ線をプリント基板の表から裏に配線しなければならないことがある。基板の外側を迂回すると配線が長くなりすぎるし、断線のおそれもある。このため、バカ穴といってプリント基板の適当な位置にはあらかじめ2mmくらいの穴がいくつか空けてある。ここを通して最短距離で配線する。
ジャンパ線は浮かないようにところどころを接着剤で固定する。このようにして何枚か改造基板を作成し、実験室でテストする。うまくいけばカット指示、配線指示書を作成して工場にお願いする。たいへん申し訳ない。次の版ではこれらの修正を反映したプリント基板を設計することになる。何回か繰り返すこともあるが、それでもLSIのリメイクよりは安い。だが数が出るものについては、いちいち工場で手配線していては量産に支障が出る。結局はコストの問題になる。また、これらの作業はLSIのリメイク回避以外でもやることがある。(プリント基板の配線を本当に間違えちゃった場合など)
 で、これまでの話はまだプリント基板上の周波数が低かった頃の事。50MHz以下くらいか。まだTTLの動作がついてこれる程度のスピードである。(たしか7474は50MHzくらいが限界だった) 最近の高速な信号が流れるプリント基板は、ディレイを合わせるために特定の配線をわざと引き伸ばしたりして調整している。このような基板ではジャンパを飛ばしてもうまく動かず、速度を落とさなければ動作確認ができない。
それでプリント基板の修正はどうするかというと、もう作り直してしまうのだ。パソコンのバスでFSB1066MHzというのがあるが、どう考えても手修正は無理だ。プリント基板の版数アップで対応するしかない。それか、今ならFPGAを使うかな。

 プリント基板上での対処方法が見つからなかった場合、LSIのリメイク以外での修正はできないだろうか。FIB [Wikipedia]というのがある。LSIの配線層にビームを当てて切断したりできるのだ。これも限度があって、配線の修正程度でできる不具合でないと対処できない。また、半導体工場にてパッケージングする前に工程がひとつ増える。たいへん申し訳ない。
基本的にはリメイク前の動作確認のため、トライアルで何個かやってもらうことになる。ここまで来たら、LSIのリメイクはほぼ間違いない。

例:集束イオンビーム(FIB)エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社
半導体工場でやるので装置は見たことがないが、すごいことを想像してた。ビーム当てるんですよ、ビーム。
(7/29追記) 同業他社のSさんに聞いたところ、FIBは電子顕微鏡で見ながら一個一個手作業でするそうだ。たいへん申し訳ない。
□(多分)入門書
電子顕微鏡研究者のためのFIB・イオンミリング技法Q&A -ナノテクノロジーの推進役 アグネ承風社 【AA】

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