マルチメディア命令調査:MIPS Vのマルチメディア拡張MDMX

 呼び方が「マッドマックス」というMIPSの3Dマルチメディア命令拡張。1996年にMicroprocessor Forumで発表されたもの。

3.2.2 The MDMX™ Application Specific Extension to the MIPS64 Architectures
The MIPS Digital Media Extension (MDMX) provides video, audio, and graphics pixel processing through vectors of
small integers. Although not a part of the MIPS ISA, this extension is included for informational purposes. Volume
IV-b of this document set describes the MDMX ASE

Microprocessor FORUM Vol.10,NO.15 Digital, MIPS Add Multimedia Extensions Digital Focuses on Video, MIPS on 3D Graphics; Vendors Debate Differences[PDF]

MIPS Extension for Digital Media with 3D[PDF]

http://www.mips.com/media/files/financial-archives/fy-1998/10-k98edgar.pdf[PDF]
実際はMIPS-10Kと一緒に1998年に登場。

 同時期のマルチメディア系命令拡張はIntelがMMX、SunがVIS、HPがMAX2、AlphaがMVI。MDMXは後発なのでこれらの良いところ取りをしているようだ。
MIPSアーキがNintendo64に使われ、まだハイエンドのサーバ、SGIのワークステーションなどで使われていた頃。

使用レジスタは浮動小数点レジスタ兼用で32本、8bit×8本または16bit×4本が扱える。
特徴的なのはSIMD演算で192bit長のアキュームレータを使うこと。これは8bit×8本の演算では24bit×8本のOBアキュームレータ、16bit×4本の演算では48bit×4本のQHアキュームレータとして働く。
8bitの積和演算を行うにはA×Bで最大16bitの結果、これがOBアキュームレータに蓄積される。このため計算中は桁あふれをすることがない。
他のアーキテクチャのSIMD拡張は汎用/浮動小数点レジスタしか使わないため、VISでは8x16bitの結果24bitの上位16bitを丸めて格納、などやりくりが見られた。
不便な点があるとすれば、余計なレジスタを拡張したせいでコンテキスト切替時のアキュームレータ退避の手間がかかることか。
現在はMIPSのページを検索してもヒットせず、MDMXの名称はあまり使わない方向のようだ。また、32bit用MIPSから使えるSIMD拡張が発表された。

MIPSアーキテクチャRelease5 SIMD拡張

☆これまでのSIMD命令調査まとめ[このあたりはすでに使われていないかプロセッサそのものが消滅]

マルチメディア命令調査:IA-32のMMX命令
マルチメディア命令調査:UltraSPARCのVIS命令 その1
マルチメディア命令調査:UltraSPARCのVIS命令 その2
マルチメディア命令調査:PA-RISC2.0 MAX
マルチメディア命令調査:Alpha21264(EV6) MVI

残りはPOWERのAltiVec、ARMのNEON、IntelのSSE/AVXかな。

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