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<<   作成日時 : 2009/12/26 14:52   >>

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 ときどきの雑記帖 i戦士篇経由で知ったMulti-Paradigm Language TAO。このbit誌上での連載記事はコピーして持っていた。今読めるとは。ということでELISの思い出を書いてみる。

 大学の研究室で自然言語処理をやっていた頃、私は趣味以外ではソフトばかり書いていた。データは大型機の磁気テープの中。もっぱらPL/Iでプログラミングしていた。
そんな時、先生から「今度ワークステーションを借りることになったから」とNTT-ITから送られてきたのはLISPマシンELIS、三菱から送られてきたのは電総研PSIだった。なんと贅沢な。しかしLISPとProlog、二台いっぺんに使うのは私の能力的に難しいだろう。好みであるLISPマシンにした。(PSIについてはいずれ書く)
 ELISは研究所の払い下げマシンの様で、商用化された物とは若干仕様が異なる。I/Oを制御するフロントエンド部はUNIX、マウスは方眼の付いた板の上で使う光学マウス、フロッピーは3.5inchだった。メモリは512KBで、私の持っているFM-11よりも少なかった32MBに拡張。ぺたぺた音のするキーボードから推測して製造は沖電気の様だ。(当時、バイトで沖電気のif-800を使っていた)
マシン名はLiかTiだったと思う。NTTの研究所で使われていたマシンには元素記号がマシン名として使われていたそうなので、その中の一台なのだろう。
イーサネットの10BASE-5を標準装備していた。当時敷設されたばかりの計算機センターと工学部間の基幹LANにDEC製トランシーバをぶすっと繋いだのもいい思い出だ。(ほんとは素人がやっちゃいけない)
シリアルケーブルの長いのを天井ごしに渡して、自席ではPC-98に繋ぎKermitで通信していた。KermitもTCP/IPもTAOで書かれていたのである。しかもマルチユーザー、マルチタスク。これはすごい、と思った。
ELISのマニュアルはたくさんあって、FORTRANやC言語のオプションもあったのだが借りたマシンには入っていなかった。で、いきなりTAOの世界に放り出されることになるのだが、最初はさっぱりわからず、モノクロのビットマップディスプレイのウィンドウを閉じたり開いたりぐらいしかできなかった。自分を越えた圧倒的な知性のかたまり。これは勉強せんといかんと思い、以下の本を読んだ。
・別冊インターフェース リスト処理技法とCommon Lisp 第5章はLISPマシンによるリアルタイム処理と題して商用のELISが特集されている。
・Common LISP the Language 第一版 bit別冊 これを読み終えた時は近日発売の第二版も楽に読めるだろう、と思っていたら第二版は倍以上の厚さで意識を失った。
これでなんとかmapcarとかlambdaとかLISPらしい書き方が使えるようになり、本来の目的である大型機上の日本語辞書データの転送に取りかかった。TAOの漢字コードはDEC漢字コードであり、日本語入力はSKKの元ネタとして有名なZenである。ただし日本語入力に関してはふつうのかな漢字変換も選択できた。
ftpで大型機から日本語ファイルを転送する。ELIS Peekというアプリがあり、ファイル入出力の残りサイズなど状態を表示してくれる。これは他のOSにも採用してもらいたいなあ。
TAOのファイルシステムはTOPS-20由来だそうで、<dir1.dir2.dir3>filename のように書いたと記憶している。日本語辞書ファイルは一気に転送できず分割してハードディスクに格納する。これをソートして一本にしたいのだが、ELISのメモリには入り切れない。sortコマンドはあるのに。そこで例の日本コンピュータ協会の「アルゴリズム+データ構造=プログラム」を参考にしながらテープマージソートプログラムをTAOで書いた。
作り方がヘタだったのでよくガベージコレクションを起こしていたけれども、それでもなんとか数時間で50MB程度のデータをソートしてくれた。ELISは当時私が独占していたので、KermitでPC98に辞書データを転送、シフトJISに直して提供した。オレ卒論はこれにすればよかったのかな?
あとはXeyesみたいなのを作って遊んだりしていた。一時期、ELISはボクのオモチャだったのだ。
後にNTT-ITの方が利用状況についてヒアリングに来られた。これからLISPマシンはどうなりますか、と質問したら、RISCに取って代わられるでしょうね、と言われた。そういや次年度はSunのワークステーションが学科に配られる予定だったのだ。

これが私の初ワークステーション体験だった。

【電電公社】 通研ELIS(コンピュータ博物館)


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